人生は僕の中で、あまり早く過ぎていかない。
だから速度を早めよう。
明日、僕は自殺する
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Les petits mouchoirs 2010年
みんなの大好きだった先生が、教室で首を吊った。
それを目撃したのは生徒二人。少女アリスと少年シモン。
いつもの教室は壁の色を塗り替え、カウンセラーが度々来ることになったことは以外は、
変わらず授業がなされる。
新しい先生はラザール先生。アルジェリアから来た先生で、授業は古臭く見た目も野暮ったい。
書き取りはバルザックだし、机の向きは円ではなくきちんと黒板の方を向かせ、生徒を叱る時は頭を叩く。
ただ、生徒と真剣に向き合う姿勢は子供達には通じたのか絆が出来つつあり、特にアリスとシモンはこの新しい先生に強く興味を抱くようになる。
ラザール先生は死から目を背けることをしない。自ら命を絶ったとはいえ、世間の悪意から命を奪われたと言ってもいい。その死の理由を考えることが死んだ人を悼むことだとラザール先生は考えている。しかし生徒と死について話すのは学校や親が許さず、だんだんラザール先生の立場が危うくなっていく。
この舞台はカナダのモントリオール。カナダのフランス語圏にあるモントリオールは生活水準が高く、教育熱心な家庭が多いらしい。
日本もこんな雰囲気になりつつある。叱って先生が生徒に手を上げるのは禁止、登校時は先生が生徒を出迎えに行く。生徒にハグするのも握手するのも禁止。
親たちも先生は勉強だけを教えておけばよく、しつけや態度については口出しして欲しくないとのこと。「子供はまるで放射性廃棄物を扱うかのように扱わねばならない」、確かに。
そうはいっても、子供たちはいつの時代でも、先生に求めているのは「愛情」なんです。
我関せずの態度は、子供たちをいたく傷つける。
「大好きだった先生が自殺したのに、なぜ誰も説明してくれないの。つらい気持ちをなぜ聞いてくれないの。」
そうだよねー、大人の考える論理は子供にとっての理不尽だよ。
そして子供のためといいながら、結局はワケのわからないルールなんかを持ち出して間逆の処置を為すというのが、大人であり社会なんだ。
☆☆☆☆
L'Été meurtrier 1983年
[監督] ジャン・ベッケル
[出演] イザベル・アジャーニ、フランソワ・クリュゼ、ヴィジニー・ヴィニョン、アラン・スーション他
イザベル・アジャーニのはまり役はこれでしょう。勝手なイメージだけど、彼女が女優になっていなかったら、こういう女の子になってたんじゃないかなと思う。
セクシーな派手な格好をして男性の気を惹く、どこか危なっかしい女の子。
ただ、彼女が脱いで裸になったとしても、エロティックというより純真無垢な少女のきまぐれに見える。
ある復讐のために、男性に近づいていくのだが、そのまっすぐなひたむきさが危うく感じる。
天真爛漫だけどどこか哀しげで不安定な役どころはとてもアジャーニに合っている。
日本の結婚式はうそ臭い。避けたほうが良い忌み言葉なんかに非常に神経を使うし、みんな笑顔で「キレイ!」と叫ばなくてはならない。
この映画の好きなところは、結婚式のシーンがとても幸福に満ちているところ。
そしてその幸福が一瞬のものであるところ。幸せとは儚いものだと監督も俳優も分かっているところ。
☆☆☆☆
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Tony Zoreil 2007年
[監督] ヴァランタン・ポワティエ
[出演] ニコラ・クレール、オードレイ・マルネイ他
人並み外れた大きな耳を持つ一家に生まれた男性の苦悩が20分間で描かれている。
聴力も半端無いので、マシュマロで耳栓したり、家族の夕食は小声で話しあったり、なんともユニーク。
女性の場合、髪の毛を編みこんで耳を隠すようなお団子ヘアーにしている。なんか可愛い。
☆☆☆
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NAISSANCE DES PIEUVRES 2007年
[監督] セリーヌ・シアマ
[出演] ポーリーヌ・アキュアール、アデル・ヘネル、ルイーズ・ブラシェール、ワレン・ジャッカン他
人が最期に見るのは 天井だろうね
少なくとも90%の人はそうだ
本当だよ
それに 人が死ぬとき
最後に見たものが目に焼きつくんだ
写真みたいに
大勢の死人の目に 天井が焼きついてる
大抵、邦題を無理やりつけたらひどい有様になり、そのままでイイヤンと思わずにはいられないんだけれども、
今回ばかりはねー原題は「蛸(タコ)の誕生」。よかったよかった、美しいタイトルになって。
確かに女性って子供の頃からなんか絡みつくような既にいっちょまえの女性のようなしぐさや考えを持っていて、あなどれぬ。
自分のことを思い返してみても、純粋な初々しさなんて、当の本人にしてみれば、7歳でなくなっていたよ。厄介な生き物だよね。
但し、大人が客観的に見ると、少女って儚くて美しいんです。
ソフィア・コッポラの「ヴァージン・スーサイズ」よりも、もっと現実に近い。
主に3人の少女が出てくるんだけれど、きっとどのタイプかに当てはまる。
憧れの同級生の捨てたゴミの匂いを嗅いだり、リンゴの食べカスまで食べてしまう女の子。
ウゲって思うけど、私は好きな男性相手にそれに近いことをした覚えがあることを強烈に覚えてる。
公園で、座りながら皆でワイワイアイスを食べてて、彼が立ち去った後、道端にすてていったアイスクリームの棒を持って帰ったなぁ。。。ワハハ。。。
この映画、レズビアンもしくはロリータっていうわけではない。
この映画をみてそう感じる男性がいたら、二度と1m以内には近づきたくないです。
そういう危うい一瞬のあの時代をどの女性も過ごしてきたってことを肝に銘じて置いて下さい。
蛸なんですよ、所詮。
☆☆☆
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Zazie dans le métro 1960年
[監督] ルイ・マル
[出演] カトリーヌ・ドモンジョ、フィリップ・ノワレ、ユベール・デシャン他
クレ、クレ、クレラップ♪の某CMの姉妹に胸キュンしている貴方なら、このザジちゃんの魅力にも一発でやられます!
おかっぱがよく似合うおませなでおてんばな女の子、ザジ。
お母さんと一緒に田舎からパリへ出てきたザジの夢は、地下鉄に乗ること!
しかし運の悪いことに、その日はスト。メトロメトロメトロ!と叫んでる姿がかわいい~。
それからパリにいる二日間、ザジとそのまわりのちょっと変わった大人たちとのドタバタ劇がはじまるのです。ま、大阪の新喜劇のようなノリですな。
チャップリン映画のようにコマ送りされた映像技法や、ストーリがどこへ行くかもよくわからないまま奇想天外なことが起こりまくるこのお話に、目が釘付け。
このザジの魅力に観ている方も振り回されるのです。
きっと監督もどこへいくかなんかよくわからん感じで撮ったのではないでしうか?
くるくると忙しく美しいパリの名所を回る。子供達の目線では、あのパリもこんな風にうつっちゃうんだなぁ。
日本では結構何回も映画館で上映されたりもするし、かなり日本での人気は根強い作品なんだと思います。
☆☆☆☆
[監督] トニー・ガトリフ
スーフィーダンスをご存知だろうか?

JE VAIS BIEN, NE T'EN FAIS PAS 2006年
[監督] フィリップ・リオレ
[出演] メラニー・ローレン、カド・メラッド、イザベル・ルノー他:
リリ 自分の世界を抜け出して別の道を歩むんだ
頭の中の悪いことは全て放り投げて、助けなんかなくたって生きていける
知らなきゃいけない事がもっとある
どんな時だって、どこにいたって、君をリードするよ
リリ 僕らのような人間にも、まだ居場所はある
全て人の手には同じ血が流れてる
羽があるからって天使になれる訳じゃない
頭の中の暗いことは全て放り投げて、助けなんかなくたって生きていける
「心配しないで、ぼくは元気だ」と原題は、この映画が見終わったあとに胸に響く。
父親との諍いから双子の兄が行方不明になり、まったく連絡がとれないリリは心を病んでしまう。
精神科の病院に入院させられ、もう身体も心もボロボロになった頃、愛する兄からの手紙が届く。
愛のある映画で、地味ながらも非常に良作です。
ほんのりとした優しさを魅せる技っていうのは、フィリップ・リオレが他の監督よりも秀でている点だと思います。
嘘は嘘でも愛のある嘘は後からさらなる哀しみを引き起こす。
けれども、自分の哀しみでうける辛さより、相手に哀しませないためのやり方で、そこには深い愛情があるんです。
☆☆☆☆☆
ほら あそこが天国だよ。
―死んだらね。
でもないさ。僕なんて死んでるようなもんさ。
海が好きだ。初めて来たけど大好きさ。

AVRIL 2006年
[監督] ジェラール・ユスターシュ=マチュー
[出演] ソフィー・カントン、ミュウ=ミュウ、ニコラ・デュヴォシェル、クレマン・シボニー、リショー・ヴァル他:
ここでの孤独と静寂が好きなんです。
全てから守られてる。でもバラだって水を求めるのでは?
赤ん坊の時に修道院に捨てられ、それから一歩も外に出ずに修道院で暮らしていたアヴリル。
生き別れになった双子の兄を探すために、修道女になるための最後の儀式から抜け出し、外の世界に飛び出していく。
こんなに爽やかで清清しい映画はあまりない。
私のぼんやりと頭にあった夢を映像化してくれたこの映画、ピュアな自分がひょっこり湧いてでてきました。
何しろ風景が美しい。南フランスは本来リゾート地なんかじゃなくて、こういった人気の無い海と草原と空に囲まれた土地なんだ。
裸で海に入るシーンがあったけれど、ほんと自然と一体化して神々しかった。
服とか余計なものは取っ払って、大地に寝転ぶ。すると私の中にあって今まで目覚めていなかったものが光を浴びてくる。
お兄さんも、その愛人も、そして好きになった男性も全員が素晴らしく優しくて良い人で、こんな人たちに囲まれてのんびり過ごせたら、夢の世界だな。
青春時代の蒼い部分だけを切り取って映画にしたものが、この作品です。
☆☆☆☆☆

Mon Ange 2004年
[監督] セルジュ・フリードマン
[出演] ヴァネッサ・パラディ、ヴァンサン・ロティエ他
ベルギーの有名な飾り窓。そこの売春婦役がヴァネッサ・パラディ。
同業者である顔も知らない女性から、孤児院にいる息子を迎えに行って欲しいと頼まれる。
その少年との逃避行を描いたロードムービーです。
主人公は売春という職業をしているけれど、実は純粋で繊細な女性。
見てくれは荒れたアバズレのような格好でも、実は内面は天使のような女性なんだと憧れるのが好きよね、男性は。
そして若い頃は、そんな女性を母のように、または自分が守らなければならない存在だと強く感じるみたい。
しかし、なんとなく分かる気がする。
映画の出来映えは、『橋の上の女』を期待して見たら大間違い。完成度は全然違いますからガックシ。
見所はベルギーの美しい街と田舎風景の自然の色彩。あと、バネッサの眉間のシワ(笑)すごい神経質な性格が表現できてたと思う。
ただ、終始ヴァネッサ・パラディがずっとオセロの松嶋にみえて仕様が無かったです。。。
☆
[監督] ジル=パケ・ブランネール
[出演] マリオン・コティヤール、ストーミー・バグジー、パチロック・ブュルエル他

GIRLS 1979年
[監督] ジュスト・ジャカン
[出演] アンヌ・パリロー、イザベル・メジア、シャルロット・ワリオ、ゾエ・ショヴォー他
愛があれば寝てもいいの?
1979年の少女達の青春物語映画。仲良し女の子4人組は、夜な夜なクラブで遊んだり、ドライブにでかけたり、
いつでもどこでも一緒。
そして男の子たちとの恋愛に一喜一憂する年頃。
時代は違えども、女性達は昔を思い出せば、皆似たり寄ったりの思い出を持っているはず。
しかし、少女達はしだいと女性に変わっていく。
美しい時代との別れは、淋しくもある。
しかし、芯のある本当の女性になったとき、
いつも見ていた景色でも、その瞳に映る景色は変わってくるのだ。
監督は、官能映画『エマニエル夫人』『O嬢の物語』などのジュスト・ジャカン。
しかし、この映画は、いやらしさのかけらもなく、キュートでポップ!
まあ十代の少女の裸は写るけどね。
そしてあどけない少女が妊娠中絶しちゃうけどね。
この時代のティーンの自由さをカラフルに描いている良質映画。
フランスのオシャレな映画が好きな人にはおススメです。
NENETTE TE BONI 1996年
[監督] クレール・ドニ
[出演] グレゴワール・コラン、アリス・ウーリ、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ヴィンセント・ギャロ他
これ 嗅いで
どう思う?
―さあ
肌の匂いよ
ある記事を読んでから、香水はつけないの
主人公の、パン屋の奥さんに抱く、性的妄想の描写はすばらしいと思った。
独り言をつぶやいているのも怪しいけれど、
ピザ生地をこねくり回して、キスをするシーンには、
少年だから許される気持ち悪さと純粋さとのキワキワ部分が描写されていました。
が、その他は、
ウーム…
ギャロが出てるのだって、
監督がただギャロファンだとしか思えない!
すごく監督の意思とかスタンスを詰め込んだ作品で、
編集もスタイリッシュに削ぎ落としている。
しかし、なんだか昔の青春文学史の小説を、書棚の奥から取り出してきて、
読見終わった後のような疲労感と同じようなものが、
この映画にはありました。
だから、なんだか埃っぽく、かび臭く、
古い映画のように感じるんです。
1996年作なのに、もっと前のような。
パン屋の奥さん役のヴァレリア・ブルーニ=テデスキだけは、言うことなし!!
いつの日か、別の日か
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