Ca Commence Aujourd'hui　1999年

[監督]　ベルトラン・タヴェルニエ
[出演]　フィリップ・トレトン、マリア・ピタレシ他

物語は夢と同じだ
眠る時、目覚める時を
誰も決められない

でも人は日を重ね
何かを思う

例えば他人に手を差し伸べたいと

だが何もしない

ただ時だけが過ぎてゆく

舞台はフランス北部、かつての炭鉱街。失業率は３０－４０％。
こんな街で育つ子供たちが置かれている状態が、リアルに描かれている。

映画というよりドキュメンタリーのようだ。
現実をただ述べている。

仕事がなく貧しい家は幼稚園の費用も払えない
それどころか毎日の食べ物もない
お風呂も入れずシラミだらけ
貧しいのにわずかな条件で生活保護も受けられない
子供に興味がなくなり熱があっても気にしない
愛人が子供に虐待しても構わない

そこで救いの手を差し伸べてくれるのは、
行政でもなく、幼稚園の園長先生。
必死に行政に対して、もしくは両親達に対して戦うが、報われない努力は次第に疲労に変わっていく…

さまざまな問題を真正面からとらえたこの映画は、
きっと社会の目を覚ます役目を果たしたと思う。
園長先生の心境は監督の心境でもあるのだろう。
それは、報われなくとも、何かのために奮闘する姿…

☆☆☆☆