Tous les matins du monde 1991年
[監督] アラン・コルノー
[出演] ジャン=ピエール・マリエール、ジェラール・ドパルデュー、 アンヌ・ブロシェ、 ジェラール・ドパルデュー他
音楽で生計を立てる人を必ずしも『音楽家』と呼ぶのは違う。音楽家とは世俗とは一切無縁な場所で音楽に向きあう人だ。
つまり、音楽で豊かに暮らせる才能がある人が、世俗を捨てることなんてできっこないであろうから、この二つを併せもつなんてほぼ不可能。
妻の死後、隠遁生活を送るヴィオールの名手サント・コロンブ。彼に弟子入りを願い出る靴屋の息子マラン・マレ。
マラン・マレは宮廷演奏家をめざし、地位と名誉を手に入れる。
この二人の関係が、「音楽とはいったい何なのだ」という疑問を観る側に投げかけてくる、そんな深いテーマを持った映画です。
そしてまた、もう一つの物語がこの映画には描かれている。
マラン・マレと、師匠の娘マドレーヌとの恋人関係だ。
一時は弟子を追い出されたマレを、マドレーヌは一生懸命音楽の技法を教える。
閉鎖的な隠遁生活を送っていた一家に、外部からの侵入者であるマレが交じることで、不協和音となる。そして哀しい物語が発生するのだ。
この二つの見所満載で、かつバロック絵画のような美しい映像と音楽。
さて観ないでどうする?
※ヴィオールとはイタリアではヴィオラ・ダ・ガンバと呼ばれるチェロやヴァイオリン以前の16世紀から18世紀に使用された弦楽器のこと。
☆☆☆☆

Diamant 13 2009年

DEUX HOMMES DANS LA VILLE 1973年
[監督] ジョゼ・ジョヴァンニ
[出演] アラン・ドロン/ジャン・ギャバン/ミムジー・ファーマー/ミシェル・ブーケ/イラリア・オッキーニ/アリエル・ドンバール/ジェラール・ドパルデュー、他
☆☆☆☆☆

La Femme d'à côté 1981年
[監督] フランソワ・トリュフォー
[出演] ジェラール・ドパルデュー、ファニー・アルダン、ミシェール・ボームガルトネル、アンリ・ガルザンン他
Ni avec toi,ni sans toi一緒では苦しすぎるが、ひとりでは生きていけない
この物語の語り部である、テニスクラブのオーナーである夫人が最後に呟いた一文。
この夫人も、愛のために8階から飛び降りた過去を持つ。お、重い!
愛の狂気に寛容なお国柄、フランス。
薄っぺらく言えば、不倫のお話。しかも隣人と。しかも元恋人と。
これを傑作といえるのか、それは個人の価値観によりますが、現実をみて、普通にあるし。
歳をとると、もっとわかるようになっていくのであれば、すこし怖い。
パーティのシーンで、男性の苛立ちからついに関係があらわになり、
互いの伴侶に関係を知られてしまう。
初めは何も知らない伴侶がいたたまれなかったが、そうか。そうなのか。
見てください。近すぎるところに愛が渦巻きすぎ。そこにも愛が。愛というより欲情?
失楽園は、日本では禁断だったけれど、
フランスでは一般的に受け入れられるのがサスガ。
☆☆☆

POTICHE 2010年
[監督] フランソワ・オゾン
[出演] カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェラール・ドパルデュー、ファブリス・ルキーニ他
毎朝自然の中をジョギングし、森の動物たちに話しかけ、ポエムを手帳に書き留めるのが生きがいであるカトリーヌ・ドヌーヴ。
赤いジャージで走る姿は、どうみてもそこいらに居るおばちゃんだった。
うちの旦那曰く、上沼恵美子と似てるよね、だって。驚愕!そこまでだとは思いませんでした。
70年代が舞台とあって、映像のカラフルさには目を奪われました。
ポップな衣装や家具の嵐!
確かに私の母親の若かりし頃の写真を見ても、ファッションはこんなんだった。キュート過ぎる!!!
で、そんな時代のマダム達は、良妻賢母を求められ、家庭が人生の全てであったりするのです。
家でお気楽に過ごせる恵まれたマダム達は、一見幸福そうにみえても、ただの旦那のPOTICHE、飾り壺。
お飾りの妻は、旦那に意見をいうこともできず、娘には「ママはどうで何もできない」と馬鹿にされるだけ。
そんなカトリーヌ・ドヌーヴは、ウーマンリブ運動の波が押し寄せた時代背景もあり、会社の社長、さらには議員にまでなってしまうのです。
やはり女は男よりも有能かもしれない、、、とワタクシは旦那の横でほくそ笑んでおりました^^
個人的にファブリス・ルキーニが大好きなので、あの神経質なテンパリ具合にもう心鷲掴み!
うっとおしいけど、かわいくて憎めないよね~
☆☆☆☆


[監督] ジャンマリー・ポワレ
[出演] ジェラール・ドバルデュー、クリスチャン・クラヴィエ他
バッタバタのコメディ。
始めはジャッキーチェンもびっくりの、アクションコメディかと思ったら…!
ええーっ
そんな話なのっとズッコケます。
だって、自分と同じ顔の天使が出てくるんだよ。
それも性格が真反対の。
あらすじを読んでいない人には、この現実離れのこの展開はびっくりしました。
フランス男はイラチ。
それを非常に明確にあらわしています。
よく、イラつく!よく叫ぶ!
本当に子供みたい。
出てくる女性が皆キレイだった。
これもまたフランス的。
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