
[監督] ダヴィッド・シャロン
[出演] ロラン・ラフィット、オマール・シー、サブリナ・ウアザニ、オマール・シー、リオネル・アベランスキ、アンドレ・マルコン、他
この黒人さんの俳優、そう、最強のふたりのオマール・シーです。
ちょっとお髭を生やしちゃってますが、やっぱこの人のキャラはコメディアン。とっても可愛らしいです。
価値観の全く異なる警官二人が主人公。
オマールは郊外の団地出身。ちょっと治安が悪いボビニー地元の警察です。
一方、ロラン・ラフィット演じる白人のエリート警察は、パリ警視庁犯罪捜査課長で生まれも育ちもパリっ子。
こんなデコボココンビの二人が最初はいがみ合いながらも一緒に捜査して、最後には友情も芽生え事件を解決していくという、ありがちだけどとっても爽快なお話です。
面白かった!!!!!!
多分続編あるんちゃうかなー
ふたりの掛け合いが本当に夫婦漫才調で面白いんだよね~
さりげにパリと郊外の差で起こる問題や人種差別問題なども盛り込まれていますが、そこは二人のドタバタ寸劇でフォーカスはされません。
しかしアラブ人がイタリア系の名前に変えることで仕事に就きやすいとは、どこの国も深い問題を抱えています。
見た目やアクセントなんかで分からないけど、名前で分かるのね。
将来名前なんてみんなどこの国もおんなじような名前ばかりになり、しまいには数字で呼ばれるようになるのがもしかしたら皮肉にも良いのかもよ。
とはいっても、私たちアジア人はA10065とか(もしくは頭文字はYかな?)数字が充てられ、アフリカ系はB33004。そしてW24089には両者とも劣るんだろうな。
おまけ。
仏題は「DE L'AUTRE COTE DU PERIPH」なので、高速道路の向こう側。
つまりパリの郊外ということです。
そして日本でつけられたタイトルはアンタッチャブルズ。
オマール・シーの前作「最強のふたり」の仏題が「INTOUCHABLES」つまり英語で発音すると、アンタッチャブルズ。
ややこし…意味がわかりません。
☆☆☆☆
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LES VISITEURS 1993年
[監督] ジャン=マリー・ポワレ[出演] ジャン・レノ、クリスチャン・クラヴィエ、ヴァレリー・ルメルシェ、マリ=アンヌ・シャゼル、イザベル・ナンティ、ピエール・ヴィアル、他
フランスを代表するコメディとしてこの作品はとってもフランスでは人気です。
DVDのジャケットに『フランスのバック・トゥ・ザ・フューチャー?!』と書かれていました。
魔女のしわざで中世の騎士がお供をつれて現代1993年にやってきてしまいます。
想像どおり、現代の道路や車や電話に驚き、てんやわんやのバタバタコメディ。
特筆することは、ジャンレオの髪型と、お供のジャクイユ(couilleクイユとは女性陣はあまり言わないようにしましょうの単語です!笑)の粗悪な身振り手振りです。ドリフか吉本新喜劇程度のコメディですが、この二つに注目すればかなり楽しめます。そして、そこまでじゃなくてもあえて声にだして笑うことで、だんだん本当に面白くなってくるような映画です。
しかしフランス人には結構ツボな言い回しが沢山あるようで・・・。
フランス語のニュアンスまでも理解できるから、是非挑戦をしてみてください!
☆☆☆
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L'arnacoeur 2010年
[出演] ヴァネッサ・パラディ、ロマン・デュリス、他
「ハートブレーカー」、原題はL'arnacoeur。
詐欺師のarnaqueurと、heartの意味のcoeurを掛けています。
フランスの若手男優でもイチオシのロマン・デュリスが、「別れさせ屋」アレックスを演じており、
そのターゲットとなる女性(ジュリエット)を、あのジョニー・デップの元パートナーであるヴァネッサ・パラディが演じています。
まず、この二人の魅力が半端ないっっっっ!!!!
ロマン・デュリスは、シリアスものより実はコメディの方が魅力が倍増、変顔されてもとってもセクシー。
ヴァネッサ・パラディも30代後半とは思えないほどチャーミング。決して美人とは言い難いんだけれど、なんか惹きつけられるオーラが出てる。
ジュリエットは大富豪の娘。結婚式を10日後に控えモナコに滞在中。
結婚式までに、なんとか別れさせなければいけないという過酷なミッションの依頼を受けたアレックス。
そこでアレックスはジュリエットのボディーガードとして近づくことにする。
いつもの手練手腕でジュリエットを惚れさせ、別れさせる手口でいろいろ仕掛けるが、どうも今回はうまくいかない。
ただ、ジュリエットの趣味をネタに、だんだん近づいていく二人が、そのうちに・・・!ってありがちなストーリーです。
でも、分かっているストーリーでも、楽しめます☆
モナコの風景は美しいし、主人公二人はかわいらしいし、おもしろおかしい冗談もだくさんあります!
フランス映画苦手な友達にお薦めするのにはピッタリですよ~
☆☆☆☆

Intouchables 2011年
[監督] オリヴィエ・ナカシュ、エリック・トレダノ
[出演] フランソワ・クリュゼ、 オマール・シー 他
誰に対しても全く態度を変えない人、って案外周りに居ない。
上司にはヘコヘコするし、金持ちにはヘラヘラするし、障害者にはソワソワ。
差別というより扱い方がわからない、だって未知のものだし。
外国人に対してもそうです。
日本にいる外国人に対してニコニコと愛想を振りまき、へんな喋り方をする人。
たまにいる。めちゃくちゃ虫唾がはしる。
といっても、私だってロックミュージシャンにあったらハイテンションで舞い上がるとおもう。
想像すれば恥ずかしいけど、自然とそうなってしまうのが大多数なんちゃうかしら。
しかし、黒人青年のドリスは違った。
事故で全身麻痺となり車いす生活を送る富豪フィリップの介護者面接の場で・・・
他の応募者たちが介護実績をアピールする中、開口一番「不採用」のサインをくれ、と切りだした。ドリスは不採用通知3つで出る生活保護手当が目的らしい。
ドリスは、障害者であるフィリップに対し、普通の人と同じ様に接する。
動けないのに携帯を差し出す。
障害者用の車をみて、「荷台なんかに人を乗せることは絶対にしない!」と言って、スポーツカーの助手席に乗せたり。
障害者ということを無視するわけでもなく、それを逆手にとってユーモアに変える。
動けないことをネタにし、笑いをとる。
それがもう面白くて面白くて、映画館で久しぶりに大爆笑しましたよ!!!
他にも、クラシックを聴いてドリスがコメントするシーンがあるのですが、
もうその表現が素晴らしく面白くて、お腹がいたかった!!!
つまり、哀れみや涙なんて一切この映画にはありません。
良い話で心があったまるけれど、泣きはしないから、キャッチコピーに騙されないでね。
「感動作!!!」なんて言う人は、絶対フィリップに採用なんてされないから。
☆☆☆☆☆

Tony Zoreil 2007年
[監督] ヴァランタン・ポワティエ
[出演] ニコラ・クレール、オードレイ・マルネイ他
人並み外れた大きな耳を持つ一家に生まれた男性の苦悩が20分間で描かれている。
聴力も半端無いので、マシュマロで耳栓したり、家族の夕食は小声で話しあったり、なんともユニーク。
女性の場合、髪の毛を編みこんで耳を隠すようなお団子ヘアーにしている。なんか可愛い。
☆☆☆
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Le concert 2009年
[監督] ラデュ・ミヘイレアニュ
[出演] アレクセイ・グシュコフ、ドミトリー・ナザロフ、メラニー・ロラン他
ソ連時代の圧政で地位を奪われたロシアの元天才指揮者が、30年後の今、共に音楽界を追われた演奏家たちを集め、ボリショイ交響楽団に成り済ましてパリ公演を行う。
前半はそういう有りえない事を滅茶苦茶ながらも可能にしていくフレンチコメディだが、
後半には素晴らしいオーケストラの演奏シーンがあるのである。
このコメディとシリアスがあいまって、なんとも気持ちよい感動作品となっているのだ。
ただ、冷静に考えると、練習も何もしていない30年ものブランクのあるメンバーが、ぶっつけ本番でパリ公演に望んで成功するってあり得ないですが(苦笑)
パリ公演よりもパリにテンション上っている大人たち。
観てる途中、せっかくうまく騙してパリ公演までつけたんだから、きちんと練習しようよ!リハにはちゃんと時間通り揃おうよ!と何度思ったことか。
予想どおりの結末であっても、なんか清清しく、五つ星をあげたくなるような映画です。
☆☆☆☆(でも4つ)
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Micmacs à tire-larigot 2009年
[監督] ジャン=ピエール・ジュネ
[出演] アンドレ・デュソリエ、 ニコラ・マリエ、 ジャン=ピエール・マリエル、 ヨランド・モロー他
ミックマック=ぐちゃぐちゃ目茶苦茶 という意味。
あの有名なアメリの監督の作品です。
アメリに出てきたいわゆる脇役の登場人物がここでも見ることができます。
アメリというより、映像はデリカテッセンに近いかなー
頭に銃弾を受け、それを取り出すこともできないまま(医者が手術室でコインで決めた!)退院したけれど、元の職場には戻れず、ホームレス。
その状況を見かねたホームレスが、自分達のコミュニティーに誘ってくれる。
そこは、ガラクタの山だが、上手に再利用し、生活を営んでいる。まるで家族のような絆がそこにはあるのです。
ある日、自分の頭に銃弾をうちこんだ会社と、昔父親の命を奪った地雷の製造会社を一度に見つけてしまう。
も・ち・ろ・ん、復讐!!!そして今は一人じゃなく、仲間達がいるんだ!
コミカルでテンポよく物語が進んでいきます。
一番気に入ったのが、ガラクタで作るいろんなモノ。すごいよ、かれたちのスキル。。。
人間大砲とかまで作っちゃうんだから!キテレツ!
☆☆☆☆
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LE BOULET 2002年
[監督] アラン・ベルベリアン
[出演] ジェラール・ランヴァン、ブノワ・ポールヴールド他
日本で売られているDVDは、TAXIを彷彿とさせるジャケでカーアクション好きの人が間違って手に取りそうで危ういので要注意。
一瞬始まりはアクションかなーと思いましたが、観覧車が転がるシーンから「ありえない~!」と笑うシーンが続出。
そうなんです、この映画は100%コメディです。
暗黒街のボスと看守が1500万ユーロの宝くじを追って、アフリカへ。
まず、この設定が間抜けすぎる。普通宝くじとじゃなく現金とか宝石とか麻薬とかでしょ^^
で、看守がどうしようもないお調子ものの厄介者で、つまりLE BOULET。
かなり神経質な性格で、人の飲みさしのペットボトルは拒否するわ、豪華ホテルのプールの殺菌度をしつこく確かめるタイプ。 発言がウザく空気読まない人間ですが、無邪気で悪気がないものだから憎めない。
一方暗黒街のボスは、冷酷ではあるが仲間を非常に思いやる人間。しかし今でもキレると容赦ない。
そんな二人のドタバタ道中が、100分間続くのです。
しかし、フランスは男性同士の友情物語が好きみたいですね。
ちょこちょことした笑いが詰め込まれており、クスッとした笑いが好きな人にはお薦め。
「ありえない~!」といったシーンも満載で、こういったシーンをいかに脳を空っぽにして楽しめるかが鍵。
☆☆☆☆

Zazie dans le métro 1960年
[監督] ルイ・マル
[出演] カトリーヌ・ドモンジョ、フィリップ・ノワレ、ユベール・デシャン他
クレ、クレ、クレラップ♪の某CMの姉妹に胸キュンしている貴方なら、このザジちゃんの魅力にも一発でやられます!
おかっぱがよく似合うおませなでおてんばな女の子、ザジ。
お母さんと一緒に田舎からパリへ出てきたザジの夢は、地下鉄に乗ること!
しかし運の悪いことに、その日はスト。メトロメトロメトロ!と叫んでる姿がかわいい~。
それからパリにいる二日間、ザジとそのまわりのちょっと変わった大人たちとのドタバタ劇がはじまるのです。ま、大阪の新喜劇のようなノリですな。
チャップリン映画のようにコマ送りされた映像技法や、ストーリがどこへ行くかもよくわからないまま奇想天外なことが起こりまくるこのお話に、目が釘付け。
このザジの魅力に観ている方も振り回されるのです。
きっと監督もどこへいくかなんかよくわからん感じで撮ったのではないでしうか?
くるくると忙しく美しいパリの名所を回る。子供達の目線では、あのパリもこんな風にうつっちゃうんだなぁ。
日本では結構何回も映画館で上映されたりもするし、かなり日本での人気は根強い作品なんだと思います。
☆☆☆☆

BIEN DEGAGE DERRIERE LES OREILLES 2005年
[監督] Anne Deluz
[出演] Clémentine Célarié 、Daniel Russo 、François Silvant 他:
舞台は1960年代。小さな村で美容室を営むスージーとアンリ。
変化のない日常に嫌気がさしたスージーは、いきなり離婚を宣言する。何ということもない夫婦喧嘩は次第に熱を帯びていき、村人達を巻き込んでいきます。
夫婦のどちらが裁判に勝つかに賭けては、バーで毎日多くの人が集まって言いたい放題。
二人の美容室もペンキで二つに分け、売り上げを競うスージーとアンリの様々なアイディアが面白い。
フレンチコメディは、まさしく私達がイメージしている典型的なフランス人がたくさん出てきて、それがまたニンマリ。
個人的にはアンリのロックファッションで音楽をかけてカットしながら踊ってる姿が最高でした。
☆☆☆

LE PORTE-BONHEUR 2006年
[監督] ローラン・デュソ
[出演] オルガ・キュリレンコ、アトマン・ケリフ、パスカル・エルベ他:
ジャケットは嘘偽りですから要注意。
オルガ・キュレリンコ主演じゃない!助演です!
しかもこのショットから想像するような映画ではない。
結構ドタバタの、ぬるいコメディです。
ソフィア(オルガ・キュレリンコ)の息子がロシアのマフィアに誘拐され、巨額の身代金を要求される。
そこで、息子を助け出すために協力してくれる男性が二人登場。
一人が何をやっても失敗する超運の悪い男で、もう一人は教会から一歩も出たことのない超真面目な修道士。
はたして上手く救出できるのでしょうか・・・?
この映画の魅力はオルガ・キュレリンコの美しさ一点のみ。
主役の男性は、出川並みにうっとおしいし(笑)
オルガ・キュレリンコのストリッパー姿は、女性でも惚れ惚れします。
結構大胆なポーズをしているんだけれど、あれは彼女的にOKだったのね。
まあ、007のボンドガール以降だったらやらないでしょう。
ちょっと雰囲気がエマニュエル・ベアールに似てるような。
☆☆

JCVD 2008年
[監督] マブルク・エル・メクリ
[出演] ジャン=クロード・ヴァン・ダム、フランソワ・ダミアン、ジネディーヌ・スアレム、 カリム・ベルカドラ 他
ジャン=クロード・ヴァン・ダム本人出演の自虐コメディ。かなり捨て身な演技に思え、初めて(存在を忘れかけていた頃に)ヴァンダムに好感がもてました。
90年代は華やかく映画スター生活を送り、脚光を浴びていたのに、今やオファーは全く来ずに、破産寸前、私生活も離婚寸前のヴァンダム。
せっかくきた映画のオファーも直前でセガールに取られてしまうほど窮地。
ジョン・ウーは俺が有名にしてやったのに!今やお声もかからない。
完璧コメディではなく当たっているところもあるからこそ、自虐ネタにクスクスときちゃう。
そんななか、故郷ベルギーに帰ったヴァンダムは、銀行強盗に巻き込まれてしまう。
ウィットに飛んでいて、ユーモラス、先の展開もハラハラ、良作です。
キリっとしたヴァンダムより、今のちょっとくたびれた(?)感じのヴァンダムの方が男前だし!
☆☆☆☆☆

そしてもちろんチャッと食べてサッと帰るとはいかずに、ご飯が口に入るまでに2時間は経ってしまってるということもざらにある。
その間、たいていずっとしゃべりっぱなし。
トピックは大したことないのに、反論してみたり(大概はコレ)、おもしろおかしく言い直したりで、どんどん会話がわけの分からない方向に進んでいく。
そのシーンを映画にしたものが、この作品です。
おもしろいのが、家族といえどもここまではっきりとものを言い合うなんて、日本人には考えられない感覚。
しかしどれだけきついことを言っても、すぐにまた仲良くなり、後腐れがない。
私自身が実際この中に入れといわれたら、もう傷付きまくって立ち直れないと思います。

Barnie et ses petites contrariétés 2000年
[監督] ブリュノ・シッシュ
[出演] ファブリス・ルキニー、ナタリー・バイ他
フランスのシニカルコメディ。これをコメディと言うのは、フランス人だけか。
日本人は苦笑程度でしょう。だが、なんかこの雰囲気嫌いじゃない。
ストーリーは簡単に言うと、ある中年のおっちゃんがミドルエイジクライシスかなんだか知らないけれど、
妻もかわいい子供もいるのに、浮気をしているんです。
しかも、二人と。しかも若ーい美人の女性と、これまた知的な男性と。
つまりバイ??と慌てふためく人間はフランス人にはそういないみたいで、そこの事実はサラリと済ます。
メインは、中年のおっちゃんの誕生日に三人からプレゼントとしてもらったのが、それはいずれも同日同時刻で同じ車両のヴェニス行きオリエント急行のチケットだったことから、ドタバタが始まるのです。
そして、浮気相手二人に断った手紙が、入れ違いになって、別の相手に届いてしまう。
それで怒った二人は一致団結?して、中年おっちゃんの自宅に踏み込むのです。。。
私が監督だったなら、この中年のおっちゃんの配役に頭を悩ませることだろう。
若いきれいな女性からも、知的な男性からも、愛される男でないといけない。
しかもなお、浮気を知っても妻は愛し続ける男でないといけない。
なんだか、ちょっとオイタやっちゃっても可愛気のある男でないといけないのだ。
それでいてセクシーで、少年のようにナイーブであるそういう中年おっちゃんを探すのは意外と難しい。
日本映画化するのは絶対無理で、フランス映画ならではってこういうことをいうんだろうね。

MON MEILLEUR AMI 2006年
[監督] パトリス・ルコント
[出演] ダニエル・オートゥイユ、ダニー・ブーン、ジュリー・ガイエ 他
自分の誕生日の祝いの席で、「あなたは友達がいない」と断言されたフランソワは、
むきになって、「親友を見せる。賭けてもいい」という流れになってしまう。
誰とでもフレンドリーに話せる人柄の良いタクシー運転手を捕まえ、
友達の作り方をどうにかして教えて欲しいと頼み込む。
フランスならではのコメディで、ちょっと変人が主人公。
本人は一生懸命なんだけれど、なぜだかその姿が笑っちゃいけないけど笑えるという、
ゆるーく、そしてちょっと笑うニンマリ系です。
見てる側は笑っちゃいるけど、男性は確かに仕事に追われ、電話やメールもマメじゃないから、
どんどん友達と疎遠になってきている…と内心気づいた人は多いのでは?
☆☆☆☆

これが俺の物語の結末だ
そう派手なハッピーエンドじゃない
ごく平凡な幸せ
でもこれでいい
俺はヒーローじゃない
[監督] ガブリエル・アギヨン
[出演] パトリック・ティムシット、ファニー・アルダン、リシャール・ベリ、
ミシャル・ラロック、ジャク・ガンブラン他
愛とは相手の欠点を赦すこと
大人は昼の顔と夜の顔は違うんだって。
それって皮肉で言ってるんじゃない。
内緒の顔を堂々と楽しむ、それがセラビ。
昼はビジネスマンだけど夜はゲイで女装する主人公。
この世界に憧れるんではなく、
自由に生きている彼らたちに憧れる。
ゲイの男性と、ゲイクラブのオーナーである女性、
そしてその女性に恋をしたノーマルな男性との変な三角関係。
最後に三人が車にのって歌うシーンが爽快で、すさんだ心には泣けてくる。
・・・内緒で教えてあげる
選ぶなら私は絶対男の子
何があっても裸にはならない
だって私は男の子だから
クロゼットで一人目の周り黒くして
誰もいない所で運命に挑戦するの
デタラメな世の中
私は好きにする
ジーンズにバッドを入れて
私は騎士のように歩く
[監督] パトリス・ルコント
[出演] フィリップ・ノワレ、ジャン・ロシュフォール、ジャン・ピエール・マリエル、ミシェル・ブラン他
今までパトリス・ルコントといえば、
どうしても「歓楽通り」とか「髪結いの亭主」とか「仕立て屋の恋」とか「フェリックスとローラ」とかいった、
ちょっと難癖ある男性と女性との恋を見事に描く監督だというイメージがありましたが、
この映画はビックリ!
コメディです。しかし人間味あふれる。
落ちぶれた老人役者三人が、巡業の芝居に出る。
そしてハチャメチャ劇が繰り広げられる。
なんとも迷惑なおじさん達なんだけれど、
自分に嘘偽り無くまっすぐ生きているから、
最終的には受け入れられる。
個人的には、ジャン・ピエール・マリエルの女装といえない女装姿がツボ。
彼の姿の思い出し笑いで数日はもてた。
フランソワ・オゾンはかなりの露悪趣味だと思う。
平和で裕福な家庭が舞台。
しかし現実は違うんだよ!
ということを、これでもかというぐらいに盛り込む。
自殺、バイセクシャル、ゲイ、SM、近親相姦、乱交パーティ。
なんでもござれ。
どんな普通の家族でも、起こりえることなんだということ、
そして、どんな人間でもこういったアブノーマルな一面は秘めてあるんだということ、
それをオゾンは言いたかったんじゃないかしら。
ラストシーンはもう!
ぎゃ~~~!!!と言って手で目をふさぎながらも、
指の間からそのシーンをちゃんと見ているあたり、
私も例外ではないなと。
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