隠された日記 母たち、娘たち

投稿者 Yumeka Roche 2012年1月18日水曜日

Mères et filles 2009年

[監督] ジュリー・ロペス=クルヴァル

[出演] マリナ・ハンズ、カトリーヌ・ドヌーヴ、マリ=ジョゼ・クローズ

祖母ルイーズ、母マルティーヌ、娘オドレイの3代にわたって女性のたちの生き方や、娘にかける想い、親に対する想いを綴った女性ドラマ。

母と娘の関係は、男性には分からないと思う。愛憎が入り混じった微妙な感情がいつも渦巻いている。
時代がかわれど、国がかわれど、そこは普遍的。

娘オドレイは、故郷を離れ、海外で働いている。
母マルティーヌは、生まれ育った土地で優秀な医者として暮らしている。
突然帰ってきた娘オドレイに対して、母マルティーヌはそっけない態度で棘のある言い方をする。
「娘は母親を捨てて海外に行った」と思っており、寂しさが憎しみに変わったのだろう。
一方、娘オドレイも、確かに家族から離れて海外に行ったことに対しては罪悪感があるのだが、母親の頑ななその態度を理解できない。

そんな二人の関係のキーワードとなってくるのが、祖母ルイーズだ。
自立心の強い祖母ルイーズは、専業主婦として家に閉じこもった生活をすることが我慢できず、ついに子供達を置いたまま家を出て行ってしまった。
そんな祖母ルイーズのような生き方を、母マルティーヌは理解できない。今もなお、自分が捨てられたということに非常に傷ついている。
娘マルティーヌも祖母ルイーズと生き方が似ていることで、さらに両者への憎しみが増す。

母と娘の関係がとても緻密に描かれている映画です。
全女性に見てもらいたい。
女というのは、こんなにも愛情に満ち溢れていて、それでいてビックリするぐらいのジェラシーが同時に存在している生き物なんです。
母と娘は親子であり友達でありライバル。
互いに1人何役もの顔をもっているからしばしば衝突が起こってしまうが、その根底には溢れんばかりの愛情があるのです。

☆☆☆☆

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