愛について、ある土曜日の面会室

投稿者 Yumeka Roche 2013年10月9日水曜日


QU'UN SEUL TIENNE ET LES AUTRES SUIVRONT 2009年

[監督] レア・フェネール
[出演] ファリダ・ラウアジデルフィーヌ・シュイヨーポーリン・エチエンヌレダ・カティブマルク・ペルベ

若干28歳で初長編作品としてこの作品を撮ったレア・フェネール。監督さんの写真を見るととっても美人で普段は知的なメガネ女子。彼女は以前刑務所内で受刑者の家族の面会や手続きなどを手伝うボランティアに参加していたそうで、その経験からこのストーリーが生まれたそうです。

この映画では主に主人公が三人。

・・・ステファン。
お金がなく、母親に借金をしてしか生活は出来ず、恋人とも問題ばかり。かといって事態を収拾させるほどの男気もなく、周りの人間に振り回されて、挙句の果てに恋人にも捨てられる始末。
唯一のチャンスは、自分と瓜二つの受刑者と一年間入れ替われば、大金を手に入れることが出来るという立場にあること。

・・・ゾラ。
息子がフランスで殺害され、アルジェリアから渡ってきた母親ゾラ。
何も知らない犯人の姉の信頼を得、最後には犯人と直接面会できることになる。
恨みよりも真相をどうしても知りたい母親を前に、誰にも口を開かなかった当日の出来事を、犯人は静かに語りだす。


・・・ロール。
16歳のサッカー好きなどこにでもいるような少女。たまたまバスで意気投合した少年と恋仲になるが、ほどなくして逮捕され面会に行くうちに、自分が妊娠してしまっていることに気付くのです。
両親にも、面会の付添い人である友人の医師にも、そして恋人の少年にも事実を告げることが出来ず、不安定な精神状態のままどうすることも出来ない状態が、ただ続いていく。


決して物語的には交わることのない三人ですが、その三人三様の世界はどこか共通点があって、それを良い悪いもなくただ漠然と眺めるしかない第三者の視点で私たちはこの映画を観るのです。

☆☆☆☆

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