[監督] フィリップ・ファラルドー
[出演] フェラグ、ソフィー・ネリッセ、エミリアン・ネロン他
みんなの大好きだった先生が、教室で首を吊った。
それを目撃したのは生徒二人。少女アリスと少年シモン。
いつもの教室は壁の色を塗り替え、カウンセラーが度々来ることになったことは以外は、
変わらず授業がなされる。
新しい先生はラザール先生。アルジェリアから来た先生で、授業は古臭く見た目も野暮ったい。
書き取りはバルザックだし、机の向きは円ではなくきちんと黒板の方を向かせ、生徒を叱る時は頭を叩く。
ただ、生徒と真剣に向き合う姿勢は子供達には通じたのか絆が出来つつあり、特にアリスとシモンはこの新しい先生に強く興味を抱くようになる。
ラザール先生は死から目を背けることをしない。自ら命を絶ったとはいえ、世間の悪意から命を奪われたと言ってもいい。その死の理由を考えることが死んだ人を悼むことだとラザール先生は考えている。しかし生徒と死について話すのは学校や親が許さず、だんだんラザール先生の立場が危うくなっていく。
この舞台はカナダのモントリオール。カナダのフランス語圏にあるモントリオールは生活水準が高く、教育熱心な家庭が多いらしい。
日本もこんな雰囲気になりつつある。叱って先生が生徒に手を上げるのは禁止、登校時は先生が生徒を出迎えに行く。生徒にハグするのも握手するのも禁止。
親たちも先生は勉強だけを教えておけばよく、しつけや態度については口出しして欲しくないとのこと。「子供はまるで放射性廃棄物を扱うかのように扱わねばならない」、確かに。
そうはいっても、子供たちはいつの時代でも、先生に求めているのは「愛情」なんです。
我関せずの態度は、子供たちをいたく傷つける。
「大好きだった先生が自殺したのに、なぜ誰も説明してくれないの。つらい気持ちをなぜ聞いてくれないの。」
そうだよねー、大人の考える論理は子供にとっての理不尽だよ。
そして子供のためといいながら、結局はワケのわからないルールなんかを持ち出して間逆の処置を為すというのが、大人であり社会なんだ。
☆☆☆☆
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