Le Gamin au velo 2011年
[監督] ジャン=ピエール・ダルデンヌ/リュック・ダルデンヌ
[出演] セシル・ドゥ・フランス、トマス・ドレ、ジェレミー・レニエ、他
施設から抜け出そうとする少年シリル。父親の居場所がわからなくなり、大事にしていた自転車を探すも見つからない。
感情のままに暴れるシリルとそれを制する施設の大人達、ヒリヒリと緊迫した場面からこの映画は始まります。
セシル・ドゥ・フランスはひょんな偶然から、週末だけの里親になります。彼女についての背景の描写はほとんどありません。かといってこの映画では彼女の慈悲深い行動が不自然に映るわけではなく、「すべきだからする」といったどこから湧き出したかわからない強い意志が、自然と観客にも伝わってくるのですから不思議。これが監督の技なのでしょう。テーマはそこではない。少年の心の方なのです。
親から見離され、愛情が欠如した環境で育った子供は、ふとした簡単な出来事から悪い方向へ道を踏み外します。悪の道へ行ってしまう理由は、それも愛情が原因で、たとえ利用しようというたくらみがあると分かっていても、愛情と居場所を欲している子供にとっては、悪とか善とかは関係ないのでしょう。
この映画はこうなってほしいといった御伽噺です。悪い状況に囲まれても、この子はきっと当たり前の幸せを感じることが出来る子供になっていくであろう、右肩上がりの寸前で映画は終わります。
あと、これだけは言いたい!
少年が町を自転車で一人疾走するシーンと音楽のマッチが素晴らしい!心の奥の手が届かない部分がキュッと小さく優しく掴まれるよう。
そしてセシル・ドゥ・フランスと自転車を並べて駆け巡り、自然の中でサンドウィッチを食べるシーンが永遠と続いて欲しいと思うくらい、あれは名シーンです!
☆☆☆☆
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