Nuit Blanche 2011年

[監督] ジャン=マリー・ポワレ
[出演] トメル・シスレー、ジョーイ・スタール、ジュリアン・ボワッスリエ、ローラン・ストーケル、ビロル・ユーネル

マフィアから大量のコカインが盗まれる。その犯人はなんと刑事二人組み!
首謀者の刑事ヴァンサン(主人公)が腹部を刺され重傷を負った上に、マフィアに顔がばれてしまう。
そして、コカインを返すという条件と交換に、息子が誘拐されてしまうのです。

もちろん、父親はコカインをすぐさま返そうとします。
しかし、隠したはずのコカインが無い!大ピンチ!
だれがそのドラッグを違う場所に移したのかというと、ヴァンサンを怪しいと思って少し前から尾行していた女性麻薬捜査官。
ヴァンサンにとってはマフィアに加え、女性麻薬捜査官からも追われ、四面楚歌です。
そしてそれだけでなく、大量のコカインを買い取ろうとしていた別のトルコ系マフィア組織も、しびれを切らして、「騙された!誰悪いん?え?あいつ?・・・殺すっ!」と暴れる始末。

もう、にっちもさっちもいかない状況に追い込まれた主人公が、果たしてどう息子を助けるのか?

舞台は8割がナイトクラブでの出来事で、暗い中でスピーディにこれでもかというくらい続くアクションに、目が離せません。
主人公を応援したいようで、もとは悪徳警官だし・・・という思いが胸の中でもやつき、よく分からない立場で鑑賞せざるをえないのですが、それでも感情移入してしまいます。
ベタに小麦粉を袋につめ、コカインに見せたてるシーンは、もうハラハラドキドキ!これマフィアの大組織相手にやるか?!

アメリカでもリメイクが決まり、映画ファンをとりこにした作品です。

☆☆☆☆


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LES VISITEURS  1993年


[監督] ジャン=マリー・ポワレ[出演] ジャン・レノ、クリスチャン・クラヴィエ、ヴァレリー・ルメルシェ、マリ=アンヌ・シャゼル、イザベル・ナンティ、ピエール・ヴィアル


フランスを代表するコメディとしてこの作品はとってもフランスでは人気です。

DVDのジャケットに『フランスのバック・トゥ・ザ・フューチャー?!』と書かれていました。
魔女のしわざで中世の騎士がお供をつれて現代1993年にやってきてしまいます。
想像どおり、現代の道路や車や電話に驚き、てんやわんやのバタバタコメディ。

特筆することは、ジャンレオの髪型と、お供のジャクイユ(couilleクイユとは女性陣はあまり言わないようにしましょうの単語です!笑)の粗悪な身振り手振りです。ドリフか吉本新喜劇程度のコメディですが、この二つに注目すればかなり楽しめます。そして、そこまでじゃなくてもあえて声にだして笑うことで、だんだん本当に面白くなってくるような映画です。

しかしフランス人には結構ツボな言い回しが沢山あるようで・・・。
フランス語のニュアンスまでも理解できるから、是非挑戦をしてみてください!

☆☆☆

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L'homme De Chevet 2007年

[監督] アラン・モネ
[出演] 
ソフィー・マルソー、クリストファー・ランバート、マルガリータ・ロサ・デ・フランシスコ、ロドルフォ・デ・ソウザ、他


フランスでも日本でも大ヒットした『最強のふたり と似ている設定で、
首より下が麻痺した女性(ソフィー・マルソー)と、その介護人として雇われた元プロボクサー(クリストファー・ランバート)のコミュニケーションを描いた物語です。

舞台はコロンビアのカタルへナ。この茶色と黄色を基調としたスペイン風の建物と土色の自然の前で、虚しく佇む酒びたりのクリストファー・ランバート。序盤にはいくつもの美しいカットがあります。
介護の経験もなく、酒代のために仕事が欲しいだけだった彼も、気難しくも美しいソフィー・マルソーに段々惹かれていきます。

トン・トン・トン…と下腹部を叩いて下の世話をする。その一定の空虚なリズムがなんだか切なく、僅かな二人の繋がりであるかのように、静かに響き渡ります。

ラストには周りをとりまく二人の女性が映し出されますが、ハッピーエンドではない空気感。
そして幸せそうに海に入っていく二人の行方も、観るものにゆだねたラストシーンとなっています。

☆☆☆


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un secret 2007年

[監督] クロード・ミレール
[出演] 
セシル・ドゥ・フランスソユディヴィーヌ・サニエマチュー・アマルリックパトリック・ブリュエルジュリー・ドパルデュー


セシル・ドゥ・フランスとマチュー・アマルリックの勢いは半端無いですね!

フランソワ(マチュー・アマルリック)の父マキシムが居なくなり、その後を追い父と向き合うことがきっかけで、過去を回想していきます。

面白いのが現代シーンがモノクロで、過去の回想シーンがカラーで彩り鮮やか。なんだけど、最後の現代シーンのみカラーになります。
過去の問題となる回想の時代とは、あの忌まわしき1940年代。ヒトラーがユダヤ人を迫害していったあの時代を生きた父マキシム。彼はユダヤ人故のある秘密があったのです。

フランソワの父はスポーツ万能のマッチョ体型でいつも自信に満ち溢れている青年でした。そしてフランソワの母タニア(セシル・ドゥ・フランス)も然り、水泳の飛び込みでチャンピオンを取ったほどのスポーツウーマン。そんな両親の間に生まれたフランソワはなぜかスポーツも出来ず、身体も貧弱で、引け目からかいつしか自分には強いお兄ちゃんがいるのだと想像するようになるのです。しかし屋根裏で一体の人形を発見したことをきっかけに、その想像が実は現実と結びついてしまうのです。

深い哀しみの時代なのに、その時代を思い出すと鮮やかな彩りが湧いて出てくる。
逆に現代はその彩りを失い、十字架を背負ったまま年月だけが過ぎてきた。

秘密は必ずしも暴かれるべきものではないとは思います。
ただ、現代が色を失っているのであれば、暗い海の底で人生を過ごすよりも地上に上がり太陽の光を浴びて彩りを取り戻す術として、懺悔をこめた告白がある人には必要なのかもしれませんね。

かなりの秀作!

☆☆☆☆☆


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ET SI ON VIVAIT TOUS ENSEMBLE? 2011年

[監督] ステファン・ロブラン
[出演] ジェーン・フォンダジェラルディン・チャップリンダニエル・ブリュールピエール・リシャール、クロード・リッシュ、ギイ・ブドス


フランス人はいくつになっても人生の中に恋愛が陣取っている!

75歳前後のお年寄り5人。まだまだ現役で娼婦と遊んだり自慰行為をしたり不倫をしたり、日本人にとっては、なんか自然なのか不自然なのか分からないこの歳の取り方。
とにかくこの5人組のバイタリティーは凄いのです。

病気や痴呆が出てきた仲間を案じ、一緒に暮らそうという提案は最初は馬鹿げたものだったが、心臓発作で倒れた友人が老人ホームに入れられた惨めな姿をみて、仲間が脱走を計画。
それ以降、5人は一つ屋根の下で暮らすようになります。

この老人たちの中に一人、犬の散歩アルバイトとして雇われた男子学生が交わります。
そして老人の共同生活を観察し、それを論文として発表するというのだから、面白い。
やはり老人たちの生態は我々にはまだまだ未知の領域なのです。

40年ぶりにフランス映画に復帰したジェーン・フォンダの魅力が前面に押し出されている作品ですが、驚いたのが、あのチャーリー・チャップリンの娘ジェラルディン・チャップリンが出演しているということです。やっぱこの集まりは普通の老人グループではないな。
とはいえ、こんな歳の取り方をして厄介な人生をハラハラドキドキしながら最後まで楽しんでいきたいなぁ。

☆☆☆☆


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L'IMMORTEL  2010年

[監督] リシャール・ベリ
[出演] ジャン・レノ、カド・メラッド、ジャン=ピエール・ダルッサン

ジャンレノがもはやドラえもんにしか見えない日本では、レオン世代でない若者にはもっと滑稽に映るかも?!
とにかくDVDのパッケージ裏のメッセージ「レオンから17年、愛する者を守るため、男は再び戦うことを決意する!」とは、商魂たくまし過ぎる!比較対象にもならないくらい全然関係ないですよ~

しかしそこそこ楽しめます。
マフィアの世界から足を洗ったにも関わらず、22発の銃弾を打ち込まれ、瀕死の状態。
襲撃したボスはなんと兄弟の契りをかわした位の旧友。
初めは復讐を考えなかったジャンレノも、信頼する部下が残虐に殺されては黙ってはいられない。
一人一人、銃弾を頭と心臓に打ち込んで殺していきます。

しかし、息子が誘拐されたことで、ファイナルへどんどん話は加速していくのですが、、、

そこそこのありきたりなストーリーで、娯楽映画としては☆3つくらいかな?
ただ、私の贔屓のジャン=ピエール・ダルッサンが良い役していたので、私は満足です!!



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Un balcon sur la mer  2010年

[監督] ニコール・ガルシア
[出演] ジャン・デュジャルダンマリ=ジョゼ・クローズ、サンドリーヌ・キベルラン、トニ・セルヴィッロ


コメディ俳優であるジャン・デュジャルダンが、シリアスなラブストーリーを演じます。

ジャン・デュジャルダンはコメディ俳優としては最高だけれど、こういう毛色の訳はどうもインパクトに欠けませんか?

彼の魅力は、大人なくせに少年の心を持ったキュートなところがたまらないのですが、この映画では皆無です。

ジャン・デュジャルダンはアメリカ俳優でいうと、どっちかというとロビン・ウィリアムズの可愛さに色気を足した感じで、かといってジム・キャリーほどのハチキレお笑いタイプではない。
でも、超シリアスな映画には、なんか居心地悪い。あ、アメリのオドレイ・トトゥもそうですよね!シリアスもんはちょっと浮いてる。
笑いもそこそこできて少年の心を持っているがこれもまた種類が違うジョージ・クルーニーはシリアスでも出来るんだけど、でも全体的にフェロモンが強いせいか、顔が濃いせいか、全体的に暑苦しい仕上がりになり、現実感が無くなる。
うーん、配役って難しいですね。

ストーリーを少し。


不動産業で働くマルク(ジャン・デュジャルダン)のもとに一人の顧客が現れ、その彼女がじつは初恋の相手キャティだと気付き、忘れかけていた過去をどんどん思い出すうちに、彼女に惹かれていくのです。しかし、キャティは既にアルジェリアで死んだと聞き、その真相を確かめるべく、彼女の素性をたしかめていくのですが・・・


というような。

なんか悪くないのですが、インパクトにかける映画でした。
☆☆




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Un Heureux Evenement  2011年

[監督] レミ・ブザンソン
[出演] ルイーズ・ブルゴワン、ピオ・マルマイ、ジョジアーヌ・バラスコ、ティエリー・フレモン

フランスの人気作家の自伝小説をもとに映画化されたこの作品、フランスで大ヒット!
出生率がヨーロッパで首位の国フランス(2011年のデータでは2.03人)、これを観た若者も出産に対してストレスなく自然に向き合える人がまた増えるのではないでしょうか。

出産って神秘的で最高に幸福なことで…と世間が私たちを騙し、どちらかというと出産しない女性を異端児とみなす。
出産とは生物学的なもので、訪れたら向き合わないといけないだけのもの。勿論幸せはその後に付随してくるものなんだとうけど、そんな余裕がなく自分の心身ともに変化する姿と、周りとの調和とで精一杯。

ホルモンというのはやっかいで、いままで理論攻めだった頭も狂わすくらい。なんでイライラするのかなんで涙がでるのか分からない。自分が分からないから周りにいる人ももっと分からない。ホルモンのとばっちりを受けているのは周りだけでなくホルモン出してる本人もなのです。そして体型もいままでずっと付き合っていた形とは異なり、見慣れない姿に変化していく。そして内から蹴られたりシャクリされたりするのですから、そりゃ妊娠ちゃうかったら狂いそうな出来事。SFです。

そして、ようやく苦しみながら一大事の出産を終え、「やっと私は元に戻るのね!」と思えるかと思えば、24時間ずっとずっと育児育児。自分というものが無くなり、完全に個が埋没。そして伴侶である夫は全然私を分かってくれない!やっぱり味方はこのお腹から産まれたこの子だけ。すれ違いから別居まで時間はかからない…

あんなにラブラブだったカップルもこうなるのだから、普通の映画の主人公じゃない私たちには、絶対こうなるのです。
それを夫婦で知って、それが起こったときに向き合うことに意味があるのだと思います。

出産前のカップルも、子育て真っ最中のカップルも、この映画を見て相手に対する思いやりをお互い持てればイイですね♪

☆☆☆☆




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Le Gamin au velo  2011年

[監督] ジャン=ピエール・ダルデンヌ/リュック・ダルデンヌ
[出演] セシル・ドゥ・フランス、トマス・ドレ、ジェレミー・レニエ

施設から抜け出そうとする少年シリル。父親の居場所がわからなくなり、大事にしていた自転車を探すも見つからない。
感情のままに暴れるシリルとそれを制する施設の大人達、ヒリヒリと緊迫した場面からこの映画は始まります。

セシル・ドゥ・フランスはひょんな偶然から、週末だけの里親になります。彼女についての背景の描写はほとんどありません。かといってこの映画では彼女の慈悲深い行動が不自然に映るわけではなく、「すべきだからする」といったどこから湧き出したかわからない強い意志が、自然と観客にも伝わってくるのですから不思議。これが監督の技なのでしょう。テーマはそこではない。少年の心の方なのです。

親から見離され、愛情が欠如した環境で育った子供は、ふとした簡単な出来事から悪い方向へ道を踏み外します。悪の道へ行ってしまう理由は、それも愛情が原因で、たとえ利用しようというたくらみがあると分かっていても、愛情と居場所を欲している子供にとっては、悪とか善とかは関係ないのでしょう。
この映画はこうなってほしいといった御伽噺です。悪い状況に囲まれても、この子はきっと当たり前の幸せを感じることが出来る子供になっていくであろう、右肩上がりの寸前で映画は終わります。


あと、これだけは言いたい!
少年が町を自転車で一人疾走するシーンと音楽のマッチが素晴らしい!心の奥の手が届かない部分がキュッと小さく優しく掴まれるよう。
そしてセシル・ドゥ・フランスと自転車を並べて駆け巡り、自然の中でサンドウィッチを食べるシーンが永遠と続いて欲しいと思うくらい、あれは名シーンです!



☆☆☆☆

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LA GLOIRE DE MON PERE 1990年

[監督] イヴ・ロベール
[出演] フィリップ・コーベール、ナタリー・ルーセル、ジュリアン・シアマーカ、ジョリ・モリナス

舞台は二十世紀初頭のフランス。マルセルが9歳の夏休み、プロヴァンスで過ごした数週間を描いた物語です。
そして、フランス語のタイトル「父の栄光」から見て分かるように、マルセルからみた父親の存在に焦点が当てられ、それと同時にマルセルの成長過程が見て取れる映画です。

子供から見た大人とはこんな感じだったなぁ。
父親はどの大人よりも立派で、母親はいつまでだっても少女の気分で。
そして、いつしか大人の嘘や、父親への失望を知ることで、一歩一歩子供から大人へ成長していくプロセスとなる。

これを観た人は小学校の夏休みを思い出すでしょう。
夏休みは永遠に続くもののように長く、毎日何をするか胸をワクワクしながら外に飛び出した日々。
もちろん永遠ではなく終わりが訪れ、蝉の声が秋の虫の音色に代わる頃、なんだか胸が苦しくて泣きたいような気持ちになる。

マルセル一家のような幸せで理想的な家族が失われつつある現代、愛情に満ち溢た家族のワンシーンを一緒に観るだけでこちらも幸福感に包まれていきます。
豪華な夕食ではないがお母さんが作ってくれた手作りのパイ、不便で何もないところだが自然に囲まれている家、いつも一緒に過ごすのは家族と一人の親友だけの世界。
贅沢ではないものを、憧れてしまうな。

☆☆☆☆




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LES NEIGES DU KILIMANDJARO 2011年

[監督] ロベール・ゲディギャン
[出演] アリアンヌ・アスカリッド、ジャン=ピエール・ダルッサン、ジェラール・メイラン、グレゴワール・ルプランス=ランゲ、マリリン・カント

平等、というのは見方や価値観によって変わる。
リストラしなければならない状況で、どうやってその対象者を選別するか?
日本は大抵、年齢順が多い。45歳以上は人件費コストが高いため、経費削減という点では合理的。
一報、アメリカは勤続年数が低いものから選別されるというのを聞いたことがある。確かに会社に対する貢献度は低く、そして再雇用が若者の方が比較的しやすいからだという。これも一理ある。

この映画の主人公は、皆の前でクジで選んだ。
もちろん自分は組合長にも関わらず、自分のクジも入れて。そして、案の定自分のクジも自分で選んでしまう。

どこまで平等主義なん?偽善者過ぎー!と私は思ったのです。本人は失業で喪失感はあるものの、このやり方には納得している様子。奥さんも、それを受け入れ、「ほんまええ人やなぁ」という印象。

しかし、クリストフの登場で一気に平等がぐらついだ。
クジが平等だったと説明するミシェルに、彼は叫ぶ。

こいつは早期退職者で小さな家でのんきに暮らしている。昔とは時代が違うんだ。職を失って暮らせるか新入りだから解雇手当もない。まず金持ちや共働きの人から解雇。給料や労働時間も減らす。それか工場に放火汚い妥協よりマシだ!

汚い妥協、確かに、そう映る。
マルセユの広めのアパルトマンのバルコニーで、昼真っからワイン片手に道ゆく人を眺める。
一日かけて手の凝った夕食の支度をする。日曜大工を始める。
週末には孫と海に行き、その後は庭で家族とともにディナー。
こんなミシェルと、母親が出て行き、クイック(ハンバーガーチェーン店)でセットメニューを頼み大はしゃぎしている弟たちの面倒を見ているクリストフと、おなじクジで協議してもクジ一票の重さが違いすぎる。

かといって、罪は罪。人は人。どうしようもならない。
ただ、きっかけは罪悪感からとはいえ、その後にとるミシェル夫婦の行動は尊い。

美しいマルセイユと美しい人たち、そして必死に生きている人たち全てへの賛歌。

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